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Xファイル:真実を求めて

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 Xファイルが再び映画化されると聞いた時の最初の印象は
「何を今さら」というものだった。

 確かに私も当時はこのテレビドラマシリーズを夢中になって見ていたものだった。
エイリアンの話を軸に、
時々全く違う怪奇話を織り交ぜながら進んでいくストーリー展開にハラハラしたり
モルダーとスカリーのくっつきそうでくっつかない微妙な関係にもやきもきしながら
毎回楽しみにしていたのである。

 しかし、シーズン8では主役のドュカブニーが飽きてきたのか、それとも
彼のイメージがモルダーとして定着するのを恐れたのか途中で降板、
パートナーであるジリアンもあまり出なくなり新しい捜査官に交代、
それから人気は急低下してシリーズは突然終わったのだった。

 もちろん最後にはモルダーとスカリーも戻り、
謎だらけだったエイリアン事件についても一応真実が明らかになった。
(かなり無理はあったが。それに肝心なことについては何も解決していないよ~。)

 とにかく無理やり完結させたこの話、
モルダーもスカリーもFBIのおたずねものになった今
どうやって話を進めるのだ、とは誰もが思うところ。
いくらなんでも「帰ってきた危ない刑事」というわけにはいかないでしょう!

 シーリーズの最後でモルダーとスカリーの恋の発展は確認されてはいたが
今回ふたりはまさに普通のカップル。
8年間もつかず離れずの二人を見続けてきたわれわれには
モルダーたちのごく当たり前の恋人たちの行動がちょっと恥ずかしい。

 でも今だに捜査官時代のように他人行儀にお互いを呼ぶのは同じである。
日本でいえば「山田さん」「鈴木さん」って呼び合っているのと同じだ。
対して、他の女性捜査官が一度だけモルダーを「フォックス」と呼んだのも印象的。

 今回は根強いXファイルファンが期待するような
エイリアンストーリーはまったくない。
まあ、エイリアンの事件はすべてが明らかになったからだけど。
しかし解決していないだけどな。
2012年だったかな、エイリアンが地球を滅ぼしにきちゃんだよ。
それなのに、みんなこんなにのんびりしていていいの?

 話が映画から大幅に逸れてしまった。
Xがらみと思わなければ、それなりに楽しめる。
事件自体は怪奇現象ではなく、サスペンスである。
それにサイキックの能力があるという元神父が色を添える。

 「決してあきらめるな」「信じたいから信じる。」というキーワードもある。

 この物語にスカリーとモルダー以外に懐かしい顔があるとしたら
スキナー長官がちょっとだけ出るだけで、
同窓会を期待する向きには、がっかりだろう。
 
 二人の後釜となったジョンもモニカも出てこないのだから
このふたり所詮、代役でしかなかったのね~。
私はふたりともけっこう好きだったけど。

 それに、ディビッド・ドュカブニーもジリアン・アンダーソンも
結局モルダーとスカリー以外の何物にもなれなかったことも
今回すっかり露呈してしまった。

 それだけこの役の印象が強かったということか、
それともそれほどの俳優ではなかったということだろうか。

 いずれにせよ、アメリカの俳優組合は強いので
彼らは世界各国で再放送されるたびに
大金が入ってくるのだから、ま、いいのかもね~。

by arizonaroom | 2009-06-11 19:01 | 映画&TV&本 | Comments(0)