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心の指紋

 1996年作の古い映画である。
こんな映画があったことすら知らなかった私であるが
アリゾナの雄大な自然に惹かれて
見ることにした。

 末期がんの宣告を受けた16歳の強盗殺人犯のブルー。
彼は先住民の血を引き、
継父に虐げられて育ったスラム出身の青年だ。
一方、家庭にも仕事にも恵まれている超エリートの医師マイケル。

 ブルーはマイケルを人質にして、
ナヴァホ族に伝わる伝説の山を目指して逃走する。
そこには病を治す湖が目的である。

 もうこれだけで、この物語は
どこへ進んでいくのかわかってしまう。

 何も目新しいものはない。
実にまぬけな警察と、
犯人に同情して
自身も暴走して法を犯してしまう医師。
暴走という言い方は正確ではないかな。
これはハリウッドお約束の「正義」というべき?

 実は医師にもつらい過去がある。
幼い頃、癌に侵され死の床にあった敬愛する兄に懇願されて
生命維持装置を抜いてしまったのだ。

 これはブルーの物語というよりマイケルの心の成長(?)の物語だ。
ブルーも主人公ではあるが
テーマの先住民の伝説と信仰というのも
あくまでも「白人の目」で描かれているという感が否めないのである。

 アメリカでは不評だったこの映画は
なぜかヨーロッパでは大評判だったらしい。
なんとなくわかるような気がする。

 まあ、それはともかく
雄大な自然の風景はすばらしい。
 
 ちなみに下の写真はうちの生徒のMさん撮影のセドナ。
心の指紋_f0037623_22383892.jpg

by arizonaroom | 2010-07-10 22:39 | 映画&TV&本 | Comments(0)