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その男ヴァンダム

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 ジャン・クロード・ヴァン・ダムの映画は
それほど私の好みではなかったが
ヴァンダム自身はけっこう好きだった。
ハンサムだし、フランス語訛りの英語もセクシーだし・・・。
名優とは思わなかったけどね。

 でもアクション俳優の宿命とはいえ、彼も年には勝てず
最近はとんと見なくなったな・・と思っていたら
なんと、こんなところで活躍(?)していた!

 落ちぶれたハリウッドアクション俳優。
私生活でも元妻と娘の親権について裁判で争っていたりして
いいことはちっともない。
 そんな彼が故郷のベルギーに帰ったところ
郵便局の強盗事件に巻き込まれ
何と外にいる警察からは犯人と間違われてしまう。

 こんな落ちぶれたアクション俳優はどこにでもいるのに
この映画では、主人公はヴァンダムだという設定で
ヴァンダム自身が演じているのである。

 彼の事務所はヴァンダムになかなかいい仕事を回さない。
せっかく主演のチャンスがあったのに
ちょんまげを切ることに同意したスティーブン・セガールに
役を奪われ、
自分がハリウッドに連れてきて有名にしたジョン・ウーなのに
「フェイス・オフ」には出演の声がかからなかった。
娘には「パパが映画に出るたびに
私は友達に笑われるから一緒に住みたくない。」
などと言われてしまう始末。

 どこまでがジョークでどこまでが本音か。
後半で彼が長々と落ちぶれた俳優の悲哀を
語るのも泣ける。(泣かなかったけど。)

 よくこんな自虐映画に出たと思って
監督について調べてみたら
ヴァン・ダムの大ファンだというブラジル人映画監督のマブルク・エル・メクリ。
スパイク・ジョーンズ監督、チャーリー・カウフマン脚本の
『マルコヴィッチの穴』の影響も受けているらしい。
まあ、監督との信頼関係が築けているというところなのかな。

 この映画、実は最後までヴァンダムはかっこ悪いままなのである。
ヴァンダムよ。いいのか、これで。

 潔いのか、開き直っているのかわからないが
日本の元有名人の行き着く先の「参議院」より
遥かにマシ。

 これはハリウッド映画ではなく、
2008年製作のベルギー・ルクセンブルク・フランス合作映画である。

 この後、彼は演技派として戻ってきたのかな?と思ったら
2009年の映画は「ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション」だって!
あ~あ。




 

by arizonaroom | 2010-07-15 22:36 | 映画&TV&本 | Comments(0)