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ただいま育休中

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 マーくんと同じ社宅に住んでいたことがある。
でもマーくんはまだ2歳くらいだったので
私のことはまったく覚えていないはずである。

 でも私は覚えているぞ。
どうせ小さくてわからないだろうと
マーくんのママが雑誌のすり替えを試みたが
(マーくんが持っている雑誌をマーくんのお兄ちゃんが読みたかったため)
マーくんは決して騙されなかった。
なぜならマーくんが執着していたほうの表紙の下の方に
小さなウルトラマン(どのシリーズかは忘れた)がついていたから。

 そのマーくんが育児体験本を執筆した。
成長したのねえ・・・・・。

 と、元経済産業省のキャリア官僚で、現横浜副市長の彼を
マーくん呼ばわりするのはあまりにも失礼なので
ここからは山田氏、と呼ぶことにする。

 山田氏と同様に経済産業省のキャリアであり
双子を出産後、仕事復帰に意欲を燃やしていた
奥様の淳子さんの妊娠が発覚した。

 喜ぶ山田氏とは裏腹に複雑な表情を見せる淳子さん。
彼は事態は男性が考えるほど
単純なことではないのだということに
気が付くのであった。

 ということで1年間の育休を取ることを決心。
この書は、その1年の体験である。

 最初は保育園のお迎えも
気恥ずかしくにコソコソとしてしまう。
世間の目に対する戸惑い、
そして世の中から取り残されたような孤独感。

 しかし彼はそれを見事に乗り越え、
「育児に参加できない世の父親たちがかわいそう」とまで思えるほど
たくましいイクメンと成長していくのである。
そして子どもたちも親の変化を確実に感じ取ってくれている。

 女性だったら「そういう慣習だから仕方がない」と思えてしまうことも
山田氏は男性の官僚らしく
「本当にそうだろうか。」と、実に理詰めに考える。

 日本の育児サポートシステムへの疑問。
子どもたちの世界。
なかなか変われない社会と夫たち。
 
 今は「イクメン」ブームであるが
まだまだ女性の補佐という感じの中、
この書の担う役割は大きい。

 内容については、ここでは
とても書ききれないので
これから育児をする世代の人にも
育児を卒業した向きにも
ぜひ一読していただきたい。
そして政治家にも。
彼の提言には頷けるものがたくさんある。

 ちなみに彼は育休が終わった後も
子育てには積極的に参加している。

 なぜなら、彼は、ほとんどの男性が知らない
「こちら側の世界」の大切さと喜びを
知ってしまったから。

 今後のさらなるご活躍を祈りたい。

by arizonaroom | 2011-04-08 20:28 | 映画&TV&本 | Comments(2)

Commented by aamui at 2011-04-09 17:39
凄い決断だなぁと思いましたが もう本があるのですね 読んでみたいです 変えて行かないととおもうだけでは 何も変わらない あちこちでまず上から始めないと無理なのかなぁ
Commented by arizonaroom at 2011-04-09 19:05
aamuiさん
この本は数年前の話です。文庫本では
その後の山田家の話も入っているそうです。
女性は環境に自分を適応してしまうのですが
男性は環境を自分に適応させてしまうところがありますね。
彼は今副市長なので今後の活躍が楽しみです。