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自動車保険

 ここ数年、自動車保険のコマーシャルが
やたらに目に付くようになった。
おそらく外資が参入してきてから、
競争が激しくなったのだろう。
「こんなに得しちゃいました。」等と
今すぐ電話をかけたくなるほどの甘いことばを囁き続ける。

 しかし3年前、夫のバイクの前を走っていた車が
突然車線変更したことによって起こった接触事故で
しみじみ悟ったことがある。

 「己の加入している損保はこちら側が被害者だと
ちっとも力になってくれない。」ということである。

 幸い夫は足の骨がひび割れただけで済んだ。
相手方の若い女性には運転に集中できない同情すべき事情があり、
(それなら運転するなよ、とも言えるが。)
その晩、父親とともにすぐ謝りに来てくれたこともあって
(アメリカでは考えられないと夫が驚いていた。)
彼女には当時も今も全く恨みはない。
問題は損保会社である。

 私はすぐさま加入しているT海上に電話した。
担当の女性は私の説明をじっくりと聞いた後
「もし100パーセント過失がないと思われるのでしたら
私どもをお使いにならないほうが有利ですよ。」などと言い出したのである。
損保同士で話あうと、どうしても過失割合がゼロにならないのだという。

 それから車を運転しない「ど素人」の私は
ネットで過失割合について調べまくった。
まもなく相手方のN火災の担当者から私の携帯にかかってきた。
(夫が外国人なので私が窓口となった。)
予想していた7対3という数字が出てきたので
「それは基本だと思いますけど、こちらは制限速度内で走っていたし
相手方はウィンカーを出さずに右折車線から
突然戻ってきたので20パーセント上乗せになるはず。」
とさっそく学習したばかりの法則を披露した。

 その次にかかってきた時には9対1になっていた。
しかし、私は「走っていたというだけで減点されるのなら
道を歩いている時に上から落ちてきたものに
ぶつかっても歩行者が悪いということですか?」などと
まくしたてたら、信じられないことにこの担当者からは
それからまったく音沙汰なくなってしまった。


 ここからは我慢比べだ。
N火災の傷害担当の男性からは時々電話がかかってきてねぎらわれた。
ようやく夫の足の傷が癒えてきたので、
さっさと示談をまとめたいと思っていたのに
物損担当から電話がかかってこない。
そうこうするうちに今度は1本の足で重い体重をささえすぎて
腰に負担がかかりすぎたのか
腰痛になり、整骨院にも通い始めることになってしまった。
物損担当からあいかわらず電話をかかってこない。

 3ヶ月くらいたった頃、夫のT保険から
「その後どうなりましたか?」と久しぶりに電話がかかってきた。
心配してかけてきたのではない。
更新時期が近づいてきたので保険を
使うか使わないかの確認だったのである。
バイクの修理の査定は33万、相手の車は20万。
保険の免責は3万だから、どう考えても使わないほうが得である。
使用しないとの確認をすると、さっさと電話は切れた。
何のアドバイスもなかった。

 事故から3ヶ月、腰は治らないが、渡米する予定もあり、
もうここら辺で〆た方がよいと判断した私は
整骨院にもう治療をやめると宣言、
傷害担当にもそう告げた。

 あわせて「物損担当からはもう3ヶ月電話がありません。」
と苦情を申し立てたら
傷害担当がこちらも兼任することになった。
結局これで元物損担当の声を聞くことは2度となくなった。
最後にしっかり意ってやりたかったのに。
「しっかり仕事しろよ!」と。

もうがんばってもゼロにはなりそうもないので
片落ち9対1、相手の車分の負担は無しということで合意することにした。
つまりバイクの査定金額から
10パーセント差し引いた金額をもらうということである。
ま、担当者の面子をたてたってところか。
 交渉が長引いたおかげで後から痛いところがでてきて通院も長引き
慰謝料と休業補償もしっかりでたのでよしとしよう。
こういうのを「相撲に負けて勝負に勝った」というのかな?

 ちなみに腰痛はなぜか整骨院を止めたとたんに治った。

教訓 「もしもの時の保険」だけど本当に役に立つか立たないかは
その「もしも」の時になってみないとわからない。

 
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   事故後まもなくのツーリング。自動車会社主催のバイカーたちの集い。

by arizonaroom | 2006-04-20 23:56 | バイク | Comments(2)

Commented by aamui at 2006-04-21 07:35
日本の損保は今不払いで問題になっていますよね 日本人の文句を言わない性格がそれを助長しているのではないでしょうか 怒ったり 協会にいうと言わないとなかなか来ないようですね 夫は外資系に変えて満足しています
Commented by arizonaroom at 2006-04-21 08:38
aamuiさん
不払い問題は生保でしたね。
でも損保だってわからないですよね。
保険金詐欺事件もたくさんあるので
厳しい審査はある意味仕方がありませんが
真面目に払ってきた人たちにとって
不払いは腹ただしいことです。

本当に日本人は文句を言わない国民だなと
私もつくづく思います。