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寿司の伝統

 アメリカのなんちゃって寿司レストランに
日本の有名な寿司職人が「征伐?」に行くという番組を見た。
場所はわが夫の故郷フェニックスである。

 オーナーも主任シェフもメキシコ人。
客も見たところメキシコ系が多い。
それもそのはず、この付近はマイノリティが多く住むところなのである。

 寿司職人は身分を隠して寿司見習いとして潜入、
そこで驚くべき実態を目の当たりにする。

 刺身への包丁の入れ方。
スパイシーな秘伝のソース。
シャリの握り方などなど。

 それもそのはず、シェフはネットで寿司の握り方を学んだだけだったのだ。

 その後の展開はもちろんお決まりのエンディング。
本場の寿司職人の実力を見せつけて感嘆させるのである。

 面白いショーだったのだが
「本物の寿司」と連呼されるとちょっと違和感もあった。
なぜなら、本場の日本でも
回転寿司の登場によって
寿司の伝統は既に半分壊れてしまっていると思うのである。

 もうひとつ、料理は場所場所によって独自に変化していくものである。
イタリア人がアメリカのピザを見て憤慨しているけれど
あれも、もう立派なアメリカ料理。
そのアメリカンデリバリーピザも
日本ではコーンなどの独自のトッピングをしてアメリカ人を驚かしている。

 同様に、寿司というものに特許が無い以上
わけのわからないものに進化しても仕方がないのである。
現にそれをおいしいと思っている人もいるわけだし。

 でも、これだけは言いたい。
「日本の寿司と誤解を招くような名称だけはやめてくれ。」

 せめてメキシカン風寿司とか、すし風アメリカ料理とか別名を付けてもらいたい。

 もうひとつ。
日本に来日して回転すしにしか行かないで
「本場の寿司を体験した。」などと思わないでほしいなあ。

(私自身は回転すしはよく行きます、念のため)

by arizonaroom | 2014-12-27 23:48 | 映画&TV&本 | Comments(0)