未然に防ぐということ

 私は心理学者でのも脳科学の専門家でもないけれど
素人考えながら
子どもが殺人願望を持っているというのは
先天的にどこかに問題があるのであって
たぶん親の育て方のせいではないと思う。

 でも、その子どもの異常さを察知して
悲劇が起こるのを未然に防ぐのは親の責任である。

 こういう風にいうのは簡単だけれど
実際はかなり難しいのではないだろうか。

 なぜなら未然に防げたということは
実際には起こらなかったということで
起こらなかったということは
未然に防がなくても起こらなかったことなのかもしれないからだ。

 たとえば、佐世保の事件でお父さん殺害未遂の時、
もし、お父さんが被害届を出していたら
子どもには、未成年ながらそれ相当の措置が取られ
しばらく社会から遮断された生活を送ることになったはずである。

 その場合、同級生は殺されずに済んだわけだけれど
それを未然に防いだということは誰にもわからない。
殺人は起こらなかったので。
たぶんお父さんは
「自分の裏切りで娘の人生を奪ってしまったかもしれない。」と
生涯悩んだことであろう。

 今回の女子大生の場合もそうだ。
同級生が薬品で失明してしまった時、
親はうすうす感じていたはずだ。

 でもその現実に向き合う勇気がなかった。
学校も、校内に犯罪者がいるのだと思いつつ
うやむやにしてしまい
結果としてもっと大きな悲劇を生むことになってしまった。


 この2つの事件は、もうひとつの過去に起訴されなかった事件も
大きな犯罪なので
親の判断は間違っていたと断言できるけれど、
もし、ただ子どもが「人を殺してみたい」と言っていただけだったり
小動物を殺していたりしただけであったのなら
親はどうしたらよいのであろうか。

 この場合「未然に防ぐ」とはどういうことか。
高名な精神科医に診せる?
どこかに隔離して常に監視を置く?

 親の対処法によっては
先に起こる確率の高い殺人事件を未然に防ぐという名目で
もしかしたら子どもの将来を奪うことになってしまうかもしれないのだ。

 この選択をしなかったら殺人が待っているとわかっていれば
誰も悩まない。

 未然に防がないから起こったことは誰にもわかる。
でも未然に防いだことは神様にしかわからない。

 難しい問題である。
 


 
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by arizonaroom | 2015-02-03 23:19 | 日常&雑感 | Comments(0)