キングコング
多くのアメリカ人にとって、キングコングは心のふるさとなのかもしれない。
1933年に最初のキングコングが上映されて以来、
いくつかの続編が作られたが
オリジナル版のリメイクは1976年版に続いてこれが2度目だそうだ。
今回も設定は1933年である。
監督の、原作に忠実でありたいという思いからか、
それとも設定を変えてはいけないという契約なのか。
理由はいろいろあるのかもしれないが、
でもこれを現代に持っていったら無理がありすぎて
話にのめりこめないかも。
まず、人と恐竜が共存している島が
世間に知られていないという不自然さ。
そして持ち帰った未知の生物を見世物にしてお金を取るという発想は
私たちの時代のものではない。
世界中の科学者や諸の国々も、それを許さないであろう。
それに巨大なゴリラより、絶滅した恐竜の方が重大発見じゃない?
まあ娯楽映画につまらない御託を並べるのはこれくらいにして
この映画の人気は
①美女と野獣という公式
②美女に恋した野獣の悲劇
③恐ろしい野獣でありながら
やさしく繊細な心も持ち合わせているコングの人柄、いや猿柄。
④アメリカという強大な国の象徴であるエンパイアステートビルディングと
怪獣の組み合わせ。
こんなところだろうか。
こうやって書いてみるとまるで「日本人とゴジラの関係」にそっくりだ。
ハイテクを駆使した映像自体はすばらしい。
また、バライティに富んだ登場人物たちの描写もなかなかよかった。
しかし平和に暮らしていたのに、人間のエゴのために
勝手に連れてこられて
殺されてしまうなんて残酷な話ではある。
もしこの映画の設定が現代だったなら
絶滅の危機のある種を保護すべく、
登場人物たちは走り回っていたのに違いない。
by arizonaroom | 2006-07-02 23:32 | 映画&TV&本 | Comments(2)
本当ですよね~。
コングは命の恩人なのに。
現代にマッチした作品ではないような気がします。