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プレステージ

 
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 19世紀末のロンドン。
若き奇術師アンジャーとボーデンは、奇術師ミルトンの元で修行をしていた。
しかしある日、アンジャーの妻で助手のジュリアが
ボーデンの結んだロープが外れなかったことにより水中脱出に失敗し死亡。
これを機にアンジャーは復讐鬼へと変貌し、
2人は血を流す争いを繰り返すことになる


 夫の家系にはプロやアマのマジシャンがけっこういる。
そのため、私も手品を見る機会が多く
したがってタネを見てしまうこともしばしばである。
また最近は種明かしをするTVチャンネルも多い。
どういう仕掛けになっているのか知りたいと思うのは
やはり人情である。

 でもいろいろな意味で見ない方がよい。
見たら「な~んだ」というものがほとんどだからだ。
奇術のほとんどは恐ろしいくらいの地道な練習の積み重ねと
そんな過程を微塵も感じさせない華麗な演技なのである。

 この映画でも憎み合っている二人の奇術師は
いかにお互いを出し抜くかしのぎを削っている。
先に瞬間移動にを成功させたのはボーデンである。
「あれはもう一人替え玉を使っているのだ。」と
パートナーであるマジックの作家(?)に言われても
「いや、そんな単純なはずはない。」と信じないアンジャーは
それ以後、完璧な瞬間移動を求めて狂気の世界に陥っていく。

 結果はここでは言えないが
だんだんこの映画は現実離れしていってしまう。
いろいろなマジックを楽しみたくて
この映画を見ると落胆してしまうだろう。

 唯一のマジック映画らしいところは
「観客は見ていないものを見たと思う。」ということや
一流のマジックはタネや仕掛けのないことを観客に確認させる「プレッジ」、
パフォーマンスを展開する「ターン」、
そして最後に予想を超えた驚きを提供する「プレステージ(偉業)」
の3パートから成り立つということを教えてくれたことくらいか。

 テーマはやはり奇術に対する二人の狂おしいまでの情熱である、
正直、一瞬のスポットライトのために
己の私生活をここまで犠牲にしてしまえるのか?と
恐ろしくなってしまう。
結末は奇術というよりオカルトじみてしまったが
まあ、それはオマケということで。

by arizonaroom | 2008-01-22 23:56 | 映画&TV&本 | Comments(0)