発音と表記の不思議
supermarket
日本人には最後の「t」の音は聞こえないと思っていたら
どうやらアメリカ人もこの「t」の音は発声していないようだ。
でも彼らはt の音を発声しているつもりらしい。
もし近くにいるアメリカ人に聞いてみたら
「もちろん発音しているよ。」と答えるかもしれないが
実際言ってもらうと
「supermarket・・・・あれ?言っていない。」と
びっくりされるかもしれない。
しかし、けっして「ke」で終わっているのではない。
「スーパーマーケッ」ではなく
舌は歯に触れていて「t」の形で終わっているのだ。
同じように日本人がgoodのことをよく「グー」と言っているけれど
あれも間違いで
たとえ「d」の音はしていなくても舌はその形で完了している。
今度は日本語のミステリー。
「あんぽんたん」には3つの「ん」があるが
最初の「ん」は発音が違う。
発音してみるとわかるが
「p」や「b」の前の「ん」は「n」ではなくて
口が閉じる形の「m」になるのである。
同じように「g」の前の「ん」も「ng]という違う音になる。
日本人は無意識に区別して発音してはいるが
(bやpは口を閉じる必要があるのでmにならざるを得ない。)
「ん」の音に敏感ではないので
違っていることに気がついていない。
この事実は日本語を習う外国人を非常に混乱に陥れる。
ある言語圏の人にはこの「m」と「n」の違いは一目瞭然で
「日本人は同じ音と言っているが絶対違う。」
と混乱しているかもしれないのだ。
秋という意味のautumn。
これを日本人がカタカナで表記すると「オータン」ではなくて
「オータム」となる。
でも最後の音には母音が付いていないので
けっして「ム」ではないし、もちろん「ン」でもない。
この音はさきほどの「あんぽんたん」の
「ぽ」の前の「ん」の音なのである。
私たちはけっこう母国語の仕組みもよくは知らない。
by arizonaroom | 2008-08-28 22:20 | 英語&日本語&スクール | Comments(8)
それは発音というか子音の聞き取りの問題らしい。
日本語の中では低周波の音しか発生しないのだけれど、
英語も含めたゲルマン語系の言語の中では高周波の音が
たくさん出ていて、それが日本語環境の中では訓練を受けないと
聞き取れないらしいよ。
ラテン語系の言語の国ではまた別らしい。
専門の聴覚訓練が研究されている。
詳しいことはメールするね。
何度も発音して面白がってしまいました。
確かに耳のよい音楽家は英語の発音がきれいですね。
「聞こえない」というのは言語を習得するのに
大きな障害になること間違いなし。
私も聴覚訓練をしたいなあ。
ちなみにうちの小さな生徒たちは
いとも簡単に難しい音を真似します。
うらやましい~。
本当はもっといい例を出したかったのですが
「あんぽんたん」しか思いつきませんでした。
「上海」のシャンは ~ng、「北京」のキンも~ng。
「歓迎」のカンは~n、「万歳」のバン(ワンですが)は~n。
聞くのは難しくても、どちらで発音すればよいかはすぐにわかるんです。
日本語で「~ウ」「~イ」などであれば~ng。
日本語でも「~ン」であれば~n、なのです。
つまり昔の日本人は中国語の「ng」と「n」をきちんと聞き分けて、
それぞれ「~ウ」「~ン」と置き換えていたんですね。
昔の日本人の方が耳がよかった?
中国語を勉強されていたこともあるのですね!
Hitさんは多才で、勉強家ですね。
中国語は高低で語彙を区別したりもするので
外国人には大変でしょうね。
「ng」と「n」を日本人も聞き分けていたという話は
とても興味深いです。
昔の日本語は今よりも発音の種類は多かったので
おっしゃるとおり
もう少し敏感な耳を持っていたのかもしれませんね。
「あんぱん」か・・・。
好物なのに全然思いつかなかった私は
本当にあんぽんたんだ・・。
語学の勉強でもっとも難しいのは発音ですよね。
自己流でいいという人もいますが
聞き取れない、理解してもらえない、では困りますから。
さんまあんこ仙台はすごい!
今度使わせてもらいます。