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日航の問題

 先週は株式の上場は維持したいと政府は言っていたのに
どうやら紙くずになるらしい。
「日航株は安心」と思って購入した株主がお気の毒である。

 日航がこんなことになってしまった原因はたくさんある。

 まず、親方日の丸的な放漫経営。
本業以外の事業による大幅赤字。
そういえば昔、バンコクのチャイナタウンにある
日航系列のホテルに宿泊したことがあるが
ガイドブックには「チャイナタウンの中の場違いなホテル」とあったっけ。
あれは確かに場違いだった。
ごちゃごちゃしたチャイナタウンの中にそびえたっていたんだもの。

 36億5700万ドルにのぼるドルの長期先物買い。
しかも1ドル180円だって!
日航には経済の専門家がいなかったの?

 8つもある組合。
「沈まぬ太陽」を読んだ時は恩地やその組合の人たちに同情したけどね。

 航空行政の犠牲者
採算の合わない路線も引き受けなければならなかったナショナルフラッグの宿命。
しかも日本の空港の着陸料はべらぼうに高い。

アメリカからの圧力
トヨタなど日本の輸出大企業が起こした貿易摩擦などを背景に米国は90年、
日米構造協議で公共投資を日本に要求。
また必要の無いジャンボジェット機をアメリカから次々と購入させられた。
そんな経過があるのに
デルタやアメリカンに「協力したい。」と言われてもねえ。

 規制緩和で競争が激化。
プライドが高すぎて競争の波に乗れなかった?

こんな状態だったのに、優柔不断の政府と会社は
問題を先送り。
そして民主党政権は
日航製作を経済立て直しの目玉にしようと
日航が外資との提携をまとめようとしているところに
待ったをかけ、
「その前にやるべきことがある。再建政策が優先だ。」などと
かっこいいことを言ったものの
結局かき回して、事態をさらに悪化させただけ。
いや、悪化どころか、最悪の事態を招いてしまった。

 日航は腐っても鯛、
みんな乗りたいのに高いから乗っていなかっただけ。
(うちのことだ。)
ぜったい、もっといい方法があったはず。

 もちろん民主だけが悪いのではない。
自民時代にふくらんでしまった風船を
民主が割ってしまっただけだ。

 日航機墜落の時に
「日航はぜったいにつぶれないよね。」と株を買ったあのおばちゃん。
今どうしているかな?

 株主にも経営責任があるというのだけれど
政府や経営陣を相手の株主訴訟は起こらないのだろうか。
 

 過去の記事 2009/01/08 日航の法的整理
2009/07/11 沈まぬ太陽

by arizonaroom | 2010-01-12 22:42 | ニュース | Comments(0)