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原爆とアメリカ その2

 広島の式典に初めて出席したアメリカ代表も
やはり、これが精一杯だったとみえ
長崎には、日程の都合がつかなかったとの理由で
欠席し、関係者をひどく落胆させた。

 折りしも、広島原爆投下の日に
NHKでは「封印された原爆報告書」という特集番組を放映していた。

 アメリカ国立公文書館のGHQ機密資料の中に、
181冊、1万ページに及ぶ原爆被害の調査報告書が眠っているというのだ。

 これは子どもたちが学校のどこで、どのように亡くなったかを
日本人医師たちによって克明の調査されたものである。
被爆による人体への影響を見るため、
治療目的ではない投薬なども行われていたようだ。

 この詳しい報告結果は結局、公に発表されることはなかった。
では、何の役に立ったのか?

 実は立派に役立ったのである。
ノーモアではなく、冷戦時代のアメリカの戦闘計画のために。

 たとえば、モスクワを消滅させるためには
いくつの原爆が必要か?とか。
(ちなみに6つ)

 これが実態なのだ。
敗戦国は悲しいほど無力なのだった。

 入市被爆というものがある。
投下時には、いなかったけれど
直後被爆地に入ることによって
汚染されてしまうことをいう。

 ある青年医師は自分は入市被爆してしまったことを知り
その様子を日記に克明に記したのだが
それも英訳されアメリカに渡った。

 もし、この日記が日本でもっと早く発表されていたのなら
多くの入市被爆者も被爆者であると認められ
長い裁判で苦しむこともなかったろうに。

 ****
アメリカで広島原爆展を開催しようとして
断られてしまったとの記事を読んだことがある。
それは子どもたちに見せるにはあまりにも
むごすぎるからとのことである。
(それが目的なのに!)

 そして原爆投下によって戦争を終結させ
結果的に多くの人命を救ったとするアメリカの持論にも
反する恐れがあるから。(とは言っていなかったけど。)

 では、アメリカ人は一生知らないままなのだろうか。

 今朝の読売新聞に
ニューヨーク在住のアメリカ人高校生が
長崎市で、地元の高校生と共に
核兵器根絶を求める
署名活動を行っているとの記事が出ていた。

 彼らはどうやって核兵器の恐ろしさを知ったのか?
それはアニメ映画「NAGASAKI1945 アンゼラスの鐘」によってである。
日本のアニメ、恐るべし。

 彼らは初めて原爆のむごさを知り、当時のヒラリー・クリントン上院議員にも
嘆願書を提出、
その彼らの運動は、アンゼラスの鐘の在原監督の知るところとなり
来日の運びとなったのだそうだ。

 彼らは東京、広島、長崎に滞在、
被爆の実態を知り、今度の運動の力となったとのことである。

アンゼラスの鐘の予告編はこちら。


 私たちもけっしてあきらめてはいけない。

  8月6日 原爆とアメリカ

by arizonaroom | 2010-08-10 21:34 | ニュース | Comments(0)