人気ブログランキング | 話題のタグを見る

こけもも

こけもも_f0037623_235524.jpg


 夫が教えているコミュニティセンターのクラス内で
ある生徒から蓼科のお土産、こけもものクッキーが
皆に配られたそうだ。

 「こけもも」が夫にはなんだかわからなかったので
さっそく生徒たちが電子辞書で調べて
英語名がCowberryであることが判明した。

 しかし、そのCowberryという名前を夫は初めて聞いたのである。

 夫が帰宅後、私もネットで検索。
「北アメリカが産地だってよ?本当に見たことないの?」
「寒い地域に分布だからアリゾナにはなかったんだよ。」

 そこで私も気がついた。
「こけもも」という名前は私の中ではなじみがあったけど
実際は食べたことも見たこともなかったことを。

 逆パターンで想像してみる。
もし誰かが「Cowberryってコケモモのことなのよ。」と言ったら
「なんだ、コケモモのことか。」と言いつつも
そのコケモモを想像できない自分。

 見たことがないのになぜなじみがあるのか。
それは小さい時読んだ翻訳本の中に
こけもものジャムがたくさん出てきたから。

 たとえば、たぶん、だけど
「小さなスプーンおばさん。」
そしてもっとあいまいだけど
「ロッタちゃんの引越し。」
このあたりに出てきたんじゃないのかな?

 ちなみに、スプーンおばさんはノルウェー人で
ロッタちゃんはスウェーデン人である。
驚いたことに、アメリカ人は
あまりヨーロッパの童話を知らない。
夫もあの有名なムーミンを知ったのは
日本に来てからである。

 「こけもも」と同じパターンで知った「木苺」。
これもヨーロッパの童話の中で知ったのだと思う。

 最近になって「きいちご」(英語名Bramble)が
ブラックベリーとかラズベリーであることを知った。
この二つのベリーは、もう日本で十分に普及しているので
「木苺」という日本名は死語となっていくかもしれない。

 そんなことを考えていたら
最近「木苺の紅茶」をもらったことを思い出した。
「木苺の紅茶」。
いい響きだなあと思う。

 今の私には
木苺よりラズベリーと言った方がピンとくるはずなのに
なぜか木苺という響きに郷愁を感じてしまう。

 子どもの頃読んだ
ヨーロッパの本の懐かしい香りがするからだろうか。

by arizonaroom | 2010-08-13 23:43 | 異文化 | Comments(0)