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退化


 私はちょっとはアナログ的なところもあるので
辞書をめくるのはけっこう好きである。
でも最近はオンライン辞書に頼ることも多くなった。

 電車でどこかへ行く事が決まると
乗り換え案内と地図ソフトで検索する。

 何か困ったことや調べたいことがあると、これもオンラインで検索だ。
パソコンの問題、家電製品の問題、病気の症状などもすべて検索である。

 世の中は劇的に便利になったが
その分脳みそを使うことは少なくなってしまった。

 まず、電話番号を覚えなくなった。
字も書かなくなったので簡単な漢字も書けなくなってしまった。
英語のスペルも間違えたらパソコンが教えてくれる。

 たぶんコンピューター革命の最初は
電卓から始まったのだと思う。
この頃から私達は記憶することや単純計算することを
機械にゆだねるようになったのだ。

 今の翻訳ソフトはまだまだだが、
そのうち人類が多言語を
話す必要が無くなってくる日が来るに違いない。

 

 人間の脳の容量は限られている。
記憶を外部のハードに頼ることが多くなれば
脳のスペースに空きができる(かもしれない。)

 その空スペースに、
何か新しいものが入って人類はますます発展するのか
それとも空白は埋まらずに、人類は退化していってしまうのか。
それは私達の心がけ次第である。

 しかし、残念ながら人類は
どうも退化の方向に向かっているようである。
外部ハードに委ねているものは
もはや記憶、単純計算、検索部門だけではなくなり
とうとう「考える」という人間としての最後の砦さえ
明け渡そうとしている。

 特に生まれた時からコンピューターや携帯のある世代は
私達が考えもつかないスキルを持ち
考えもしない使い方をしているのである。

 しかもそれは創造力を形成するのではなく
脳をからっぽにするために使用されているのである。

 今後の人類の行く末が恐ろしい。



 

by arizonaroom | 2011-03-04 22:16 | コンピューター&カメラ | Comments(2)

Commented by 花ケーキ at 2011-03-05 19:36 x
昔、ドラえもんで『翻訳こんにゃく』と言うのがあった。
今に、何語でも変換する機械ができ、
語学の必要がなくなるかもしれない。

また、携帯の使い方も間違えれば恐ろしい。
滅びてゆく日は近いのカモ
Commented by arizonaroom at 2011-03-05 20:55
花ケーキさん
言葉には文化があるので直訳がいいってものでもないです。
たとえば日本人のいう「考えさせてください」と
アメリカ人の「考えさせてください。」は
ニュアンスが違いますよね。
だから機械の翻訳だけに頼る時代はまだまだ先だと思います。

でも人間が考えることを放棄しつつある、というのは
本当に恐ろしいことです。