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ウォールストリート

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 前作の「ウォール街」が制作された時、
全然規模は違うけれど私も証券会社で営業をしていた。
だからあの映画は本当に面白かった。

 日本はまだまだインサイダー取引にも、株価操作にも
甘かった時代だったので
似たようなことは私もしょっちゅう見聞きしていたのだ。

 今回、その続編である「ウォールストリート」を見ていたら
あの当時の思い出などもセットになって甦り
懐かしいようなほろ苦いようなかなりミックスした気持ちに陥ってしまった。
私はバブルもその後の崩壊も経験しているので
トラウマもけっこうあるのである。

 それはともかく、この映画の感想に話を戻す。
物語はゲッコーが出所する時から始まる。
入所時に預けた荷物が返されるのであるが
大きな携帯電話が時の残酷なまでの流れを感じさせる。
誰も迎えが来ないゲッコー。
あれほど華やかな生活だったのに。

 時は移り変わっても
ウォール街の住人の野心は変わらない。
主人公は変わっても相変わらず続くマネーゲーム。
何気なく出てくるお金の桁が庶民の感覚とは違うので
ついていくのも大変。

 今回の主人公は若き金融マン、ジェイコブ・ムーア(シャイア・ラブーフ)。
ゲッコーの娘と婚約している。
でも彼のキャラクターはなんだか中途半端である。
野心があるのかないのか。

 ゲッコーの娘もよく涙をためた目で
父親や恋人をじっと見つめたりするが
何を考えているかなんだかさっぱりわからない。
 
 そんな頼りない主人公たちのかわりに
オリバーストーンは誰もが共感できない
実にわかりやすい悪役を用意した。
やり手だが、ゲッコーのような魅力はまったくない。
でも、ちょっと調べれただけで簡単に尻尾をつかまれてしまうおバカさんではある。
ストーリー上仕方がないのかもしれないが
彼の詰めの甘さには驚くばかり。

 結局、お金より大切なものがあるというありきたりのテーマ。
ハリウッド人は誰もそんなもの信じていないのにね~。

 
  映画の中に出てくるお金持ちの中国人投資家。
昔はこういう場面ではいつも日本人だったのに、と思うと
日本の凋落もちょっとさびしい。

by arizonaroom | 2011-07-06 22:24 | 映画&TV&本 | Comments(0)