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孤独な雌ライオン



 ナショナルジオグラフィックチャンネルで
「孤独なメスライオン」という番組を見た。

 ザンビアのリアウ平原には
何年門も間たった1頭のメスライオンしかいないかった。
密猟などの乱獲によってライオンは絶滅寸前になってしまったのだ。

 この最後のライオンの名前はレディ。
たった1頭でも狩りはできる。
食糧も1頭分なので乾季を除けばそれほど大変ではない。

 でも孤独だ。
ライオンは群れで生きる動物なのに
パートナーもいなければ
吠えても応えてくれる仲間もいない。

 そんなレディをカメラマンのハーバート・ブラウアーは
4年間追い続けた。

 最初はハーバードたちのチームを警戒していたレディだが
そのうちに慣れてしまった。
無防備に近づくどころか
目の前でころがってみせたりするようになった。

 夜キャンプ地で待っていることも多々ある。
餌は与えたことがないので目的は食べ物ではない。

 孤独なのだ。
仲間が欲しいのである。
ハーバードに親近感を抱いているのである。

 しかし野生なので近づけば
お互いに不幸な結果となることがわかっている
ハーバードたちは常に5メートルの距離は保っていた。
でもレディが背後にいてもちっとも怖くはなかった。

 レディのために夫を連れて来てあげよう。
ハーバードたちの大プロジェクトが始まった。

 最初は失敗。
遠くから連れてきた雄ライオンはパニックを興し
それが原因で死んでしまった。

 その反省をもとに連れてこられた2頭のオスライオンの兄弟。
しばらく平原に放さずに柵の中に入れておく。
 その聞きなれない同胞の声を聞き
近くまで様子を見に来たレディ。

 お互いの警戒感が親近感へと変わり
やがて彼らはファミリーへと
なっていく。

 涙なしでは見られない感動ドキュメンタリーである。

 狩りが大変な乾季では
横取りにくる大勢のハイエナを恫喝するレディではあるが
獲物が豊富な時期は、仕留めた動物を
そのまま置きっぱなしにしてハイエナに与えてしまう。

 この行動は気まぐれというより、もしかしたら
孤独なライオンなので
ハイエナとも張り合うだけではいけないと思いから
来た行動なのかもしれない。

  ナショジオのドキュメンタリーを見るたびに思う。
動物にも心がある。
感情がある。
心と心の交流もあるのである。

過去の記事より
豹とマントヒヒの赤ちゃん
ライオンがヌーの赤ちゃんを救った

by arizonaroom | 2013-01-17 23:35 | 映画&TV&本 | Comments(0)