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アイ・アム・マザー

 1か月前の機内で見た映画なので正確に思い出せるかはわからないが・・。

人類が絶滅した後にAIが人類再生の目的で受精卵から女の子を誕生させ育ているという話なのだが
この物語には3人?しか登場人物がいない。
ドロイドのマザーとその娘、そして外部から助けを求めに来た女である。
そしてそのどれにも名前がないのである。

 マザーは不器用なのか器用なのか一生懸命に娘を育て倫理面での教育も授けている。
娘は時々大昔のテレビ番組で人間の生活を学んだりしている。

 人間の再生という大掛かりなプロジェクトなのになぜロボットは一体なのか、
どうして娘ひとりしかいないのか、
充電中のロボットは動けなくていいのか。

 その後、女の言っていることが正しいのか、マザーが正しいのか、
見ている私たちも混乱してくる。

 マザーがドタドタと走っているさまはなんだか滑稽だ。
未来のAIならもう少し人間らしくスムーズに動けないのかと思ったりしたが
よく考えてみたらアシモもペッパーもあんな感じだったなとちょっと思い直した。
マザーはロボットだけど感情もあるのではないかと錯覚すらしてしまう。

 しかし、後でわかる。
マザーは起こっていることを把握するために走る必要はなかったし
娘も母の目から隠れることは不可能だったのである。

そして少女は確かに慈しみ育てられ守られてはいたけれど、
その存在は確固としたものではなかったし
女もロボットと戦う自立した生き残りの人類でさえなかったようなのだ。

 最初このタイトルを見た時、観客はロボットが「マザー」なのだと思う。
でも、実は少女がマザーなのである。

 新しい映画なのでこれ以上のネタばらしはしないことにする。

さらっと見てしまったら気が付かないことも多いので、じっくりと見ることをお勧めする。



 

by arizonaroom | 2019-12-28 23:52 | 映画&TV&本 | Comments(0)