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強烈な短編映画

 元旦にシネフィルイマジカというチャンネルで
「世界の短編100本」という特集をやっていた。

 1本が10分~30分とかなり短いので
暇つぶしに気楽に見ていたのだが
これがけっこうおもしろかった。

 最初は「たかだか10分で何を語れるというのであろうか。」
とタカを括っていたのだが、ところがどっこい、
どれもが強烈なメッセージ性を持っていたのだった。

 映画の短編というのは小説の短編とはちょっと違うように思う。
どう違うのかというと、小説の短編は文のひとつひとうが
凝縮されているのに対して、映画の短編はそうでもない。
あたかも長編映画のようにストーリーはゆっくりと進んでいく。


 (もし語学の勉強のために原語の小説を読むのなら
けっして短編を選んではいけない。
文が凝縮されているので1つ単語がわからないだけで
すべてがわからなくなってしまう。
その点、長編はたとえ2~3節わからなくても進み具合が遅いので
我慢して読んでいけばなんとなくストーリーはわかるようになる。)

 
 20分の映画なのにもう2時間も見続けているような錯覚。
強烈な印象も2時間分。

 もちろん20分の映画ではすべてを見せることはできない。
しかし、優れた短編はその見えない部分を観客に想像させる力がある。

 
 (短編ではないが私の大好きな「ニューシネマパラダイス」には
2時間の劇場版と3時間の完全版がある。
完全版では劇場版ではわからなかったいろいろな謎が判明している。
しかし、その「判明した謎」は実は必要なかったと私は思う。)


 ともあれ、この短編集のいくつかの印象があまりにも強烈だったため
その2,3日前にわざわざ借りてきて観た2本の映画が
頭の中から吹っ飛んで
後で何を観たのかまるっきり思い出せなくなってしまったほど。
(昨晩ベッドの中で真剣に考えてようやく思い出した。)

 イマジカでは今月いっぱいが短編特集なので
また機会をみながら、見逃した映画を観ていきたいと思う。

by arizonaroom | 2007-01-08 21:37 | 映画&TV&本 | Comments(0)