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国籍と姓

 昨日の講習会の受付での出来事。
私の予約受付票の名前を見た係の人が
ちょっと口ごもって何やらモゴモゴと。
「あの・・・もうすでに・・・ですか?」

 はっきりとは言わないが言わんとしていることは
よくわかった。
こういうことはたまにあるので。

「私は日本人です。」
「あ、そうですよねえ。」

 「そうですよねえ」と思ったのなら、聞くなっつーの!
彼はこう聞きたかったのだ。
「もうすでに帰化されているのですか?」と。


 この講習会には外国人も参加できるが
外国人登録票の提出が義務づけられている。
でも、日本人ではないかもしれない私が出さなかったったので
係の人はちょっと心配になったのであろう。

 私の姓はカタカナである。
夫が外国人だからであるが、

 実は結婚相手が外国人の時には姓を変える必要はない。
いや、必要がない、というより昔は外国人と結婚した女性は
変更できなかった。
父親が家長制度だった頃のなごりが
実はほんの20年くらい前まで続いていたのである。
時代錯誤も甚だしい法律ではあるが
普通の人には全然支障がなかったので
誰も気がつかなかったらしい。

 しかし、国際結婚がけっこう増え出して
女性たちは気がついた。
「自分の子どもには日本国籍がない!」
父親をベースに戸籍が作られるので
日本で生まれた子どもは
戸籍無しの外国人になってしまったのである。
それから女性たちの涙ぐましい努力の結果
戸籍制度が男女同権に改められ、今に至る。

 話を元に戻すと
国際結婚しただけでは姓は変わらない。
婚姻届のほかに「姓の変更届け」というのを提出して
初めて外国人の夫の姓に変更できるのである。
国会で「夫婦別姓制度の是非。認めるか認めないか。」
なんていうのを
大真面目に討議していた時には
思わず笑ってしまった。
「じゃあ変更届けを出さなければ変えられない
私たちはいったいに何?」って。

 けっこう外国人夫を持つ日本人の女性の中には
姓を変更していない人が多い。
普段は通称で夫の姓を名乗っていても
戸籍はそのままということである。

 なぜかというと日本で暮らすにあたって
カタカナ姓はけっこう不便なのである。
まず印鑑がない。(私は氏ではなく名前で作った。)
インターネットで会員登録しようとしたら
全角5文字以上はエラーになってしまったこともあった。
(後で抗議したら対処してくれたが。)

 病院で名前を呼ばれると振り向かれる。
営業で名刺を出したらジッと見つめられる。
電話で名前を名乗ったら、
相手は日本式の名前を想定しているようで
ちっともわかってくれない。

 住所氏名を書く際に「日本語お書きになれますか?」と
聞かれたことも何度あったことか。

 念のため言っておくが
私はどうみても日本人である。
日本語も完璧(?)だし、態度も服装も
平均的な日本人そのものであると思っている。
まあ、中国人に見られることはあるかもしれないが
この西洋風のカタカナ姓にマッチした顔ではないことは確か。

 そして下の名前は思いっきり日本人の名前である。
日系人なら逆だろうが!
(つまりスミス花子が結婚で改姓、ヒラリー・マツモトか日系人)
別に若くもない私の姓がカタカナだったら、
どうして「外国人と結婚しているんだ!」と素直に思わず
「もしかしてお母さんが外国人?」と、
わけのわからない考え方をする人が続出するのかな?
(「奥さん」という雰囲気がないのは認めるが。)

 コニシキや武蔵丸など外国人が帰化した場合
日本風の姓に変更したりするようである。
おそらく日本政府もそう奨励しているのだと思う。

 でも、外国人のお父さんと日本人のお母さんとの間に生まれ
そのまま日本に住み、日本国籍だけを持つ子どもたちは
今確実に増えている。

 たとえば、ダルビッシュのように
カタカナ姓の日本人。
彼の子孫は日本人でありながら、
この姓を誇りとしてずっと受け継いでいくのだろうか。

 それも時代の流れとは思う。
でもやぱっりカタカナ姓は
目立つし、ものすごーく不便なんだよー。
 

by arizonaroom | 2008-02-29 23:59 | 異文化 | Comments(2)

Commented by 花ケーキ at 2008-03-04 21:30 x
私もビックリしました。娘は、一人で独立した戸籍を作って、なんだか変な感じがしました。でも、娘は、どこから見ても、フィリピンの人に見えるので、カタカナ性を見て、「なに人ですか」と聞かれます。
Commented by arizonaroom at 2008-03-04 22:03
花ケーキさん
えーMちゃんフィリピン人に見えるかな~?
毎回聞かれるとけっこう面倒になってしまって
てきとーに答えちゃったりもするんですよね。