燃える地の果てに (逢坂剛)
私はフラメンコギターを長い間習っていて
今でも「宝の持ち腐れ」という噂の立派なフラメンコギターを持っている。
スペイン自体にも興味があり、
現地にも飛んでガルディもピカソもミロも
フラメンコも思う存分満喫したものだった。
ということでフラメンコとスペインの舞台設定を得意とする
逢坂剛は私の好きな作家である。
ほかに彼の好きな点は
社会派ミステリーが多い。
予想外の結末
外国で活躍する日本人
セリフが気が利いている。(時には鼻につくほど)
というところだろうか。
この小説は1960年代と1990年代が同時進行する形で始まる。
この30年の時間差が織りなす2つのストーリ展開の巧みさにひきづられて
詠み出したら最後、止まらなくなってしまう。
また、たいていの推理小説は途中でたいていわかってしまうのだが
この結末はいい意味でかなりショック。
私たちは自由な発想をしているようでいて実は
けっこう先入観で勝手に思い込んでいるところがある。
その盲点をたくみについて
最後に「あっ」と言わせてくれるのがこの物語である。
ついでにスペインの片田舎に住む人たちの人物描写がおもしろい。
この人は本当にスペインが好きなんだなあとつくづく思う。
by arizonaroom | 2008-03-29 23:08 | 映画&TV&本 | Comments(0)