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みんなのいえ

 
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 かなり古い三谷幸喜監督のコメディーである。
彼の作品には英語の字幕があるので
我が家ではとても助かっている。

 テーマはタイトルどおり「家を建てる」ということで
自分の体験が基になっているらしい。

 でも伊丹十三映画のようなHow To映画ではない。
たとえば伊丹監督の「お葬式」や「たんぽぽ」「ミンボー」や
「スーパーマーケット」「マルサ」の女など映画のように
「そうだったのか!」という知識は
三谷映画からはけっして得られない。
 
 何しろお金の話すら全然出てこないのだ。

 映画が始まった時には既に土地は購入されていて
「設計士はどうする?」
「後輩にインテリアデザイナーがいるからその人に任せましょう。」
「そうだね。」って
その人が本当はどういう人かわからないのに
いとも簡単に話は決まってしまう。
そしてそこでも設計料とかの話はまったくでてこない。

 結局のところ、映画のテーマとして、
三谷はそういう現実的なことには
一切興味がなかったのであろう。

 彼にとっての興味はあくまでも「人間」なのである。
新進気鋭のインテリア・デザイナー、柳沢と
主人公民子の父で昔気質の大工の棟梁・長一郎との対立と友情、
仲はいいけど、家を建てる妹夫婦にちょっぴり嫉妬している姉夫婦や
柳沢と義父にはさまれて常にハラハラしている
本当に人のいい民子の夫、直介、
そして気まぐれで皆を振りまわす、風水に凝っている直介の母など
人々は本当に生き生きと動いている。

 何か大きな事件が起こるわけでもない
何気ない日常を描いているようでいて
実は非日常の世界である。
(家を建てているのにお金の話がまったく出てこない)
でも、登場人物たちはやっぱり日常を平凡に生きている人たちなのである。

 ゆったりと見られる映画なので
ストレスで疲れている時におすすめ。
また映画のあちこちに有名スターたちが
チョイ役で出てくるのもおもしろい。
 

 

by arizonaroom | 2008-07-27 22:44 | 映画&TV&本 | Comments(2)

Commented at 2008-07-27 22:59
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by arizonaroom at 2008-07-28 17:54
春日飛憂さん
初めまして。ファンタジー小説を書かれているのですね。
少し読ませていただきました。
また後ほどゆっくり読ませていただきます。