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帰化は裏切り?

 北京オリンピックでは国籍を移した
「元中国人」の卓球選手がかなりいたが
かなり裏切り者扱いされていたようで
愛ちゃんと対戦した元中国人選手も
かなりのブーイングを受けていた。

 「帰化イコール国を棄てる」という感覚なのだと思うが
日本人にはそういった意識は希薄のような気がする。

 アメリカに帰化したスケート選手がいたが
ほとんどの日本人は「がんばってね」と
エールを送り
彼女を裏切りものと思っていた人はほとんどいなかったのではないか。
(シンクロの井村コーチを「裏切り者」呼ばわりした輩もいたようであるが。)

 日本人はどこへ行っても日本人。
日系人の活躍でさえも我々は嬉しい。
アメリカ人と結婚してさまざまな理由から
市民権と取って「アメリカ人」となってしまった人も
何人か知っているが
私たちはそれを「ペーパー上のこと」と理解し
「彼らが日本人ではなくなった」とはけっして思ったりしない。

 日本人は寛大なのか。
ある面、そうかもしれないがそれだけではない。
 
 その証拠に、日本に生まれ育ち、帰化した人でも
その顔が「日本人」でなければ
彼らは「日本人」とみなされないということもあったりする。
国際結婚の子どもたちも「外国人顔」していれば
「ガイジン」といじめられてしまうことも多々ある。

 たぶん日本人の心は国籍法のように
「出生主義」ではなく「血統主義」なのだと思う。

 興味深いのは中国国籍の中国人は「中国という国籍」を重視し
架橋の人たちは「中国人」というところにアイディンティティを置いている。
マレーシア人の友人が言っていた。
「私はマレーシア人である前にチャイニーズである。」と。

 日本の在日韓国人、や中国人の存在は
アメリカ人には絶対に理解することはできない。
「日本に生まれて日本に育った?そりゃまちがいなく日本人じゃないか。」と

 そういうアメリカでも「ヨーロッパ系アメリカ人」とはほとんど言わないのに
「アフリカンアメリカン」とか「ジャパニーズアメリカン」「ネイティブアメリカン」という
言葉がまだまだ健在である。

 人種と国籍の問題はなかなか微妙である。

by arizonaroom | 2008-09-20 23:05 | 異文化 | Comments(4)

Commented by 薫風 at 2008-09-21 01:54 x
差別意識が無ければ呼び方なんて関係ない・・みんな個性として認め合えればいいですね。
Commented by arizonaroom at 2008-09-21 15:46
薫風さん
 逆に無意識な差別意識が言葉を作っているということも
ありますよね。
本当にみんな個性として認めあえる世の中になってほしいものです。
Commented by 花ケーキ at 2008-09-21 17:20 x
arizonaさん。人種と国籍・・・実に微妙ですね。日本人は、どちらかと言うと、東洋人に対して、馬鹿にするところがありますね。他の国についての認識が浅いと言うこともあるかもしれませんね。
Commented by arizonaroom at 2008-09-21 21:17
花ケーキさん
差別は無知から来るので他の東洋人を馬鹿にするというのは
無知をさらけ出しているということですね。
差別をする人は劣等感も持ち合わせていたりもします。