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妹の恋人

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 早くに両親を亡くしたベニーとジューンの兄妹。
妹のジューンは神経過敏症で精神が常に不安定、
そのため家政婦を次々と追い出してしまい
その面倒を見なければならないベニーは恋人もできない。
しかし、施設を勧める医師にベニーは「YES」とは言えないのだった。

 そんな時、時も書けない風変わりな
青年サムが二人の家に居候することになり・・・・・

 1993年の古い作品である。
サム役のジョニー・デップがものすごくインパクトがあったので
けっこう鮮明に覚えていた作品だが
テレビで放映していたのを夫が録画していたので
(驚いたことに夫はほとんど覚えていないらしい。)
今晩久し振りに見ることができた。

 前回見たときには知的レベルの低いサムと精神を病んだジューンという風に
捉えていたけれど
今回改めて見たらサムは繊細だし人の機微はわかるし機転は利くしで
実はけっこう賢い人なのであった。
実際この映画だけではそこのところがよくわからない。
軽い知的障害なのか、それとも単なる識字障害なのか。
それともただ学校が嫌いだっただけなのか。
でも映画を見ていくにつれ、そんなことはどうでもよくなってしまう。
大切なのはハート、心だ。

 この映画はかなり楽観的に描かれているので
「現実」を知っている人からみたらかなり「きれいごと」に写るかもしれない。
でも「病んだ人を守る」ということと「人としての尊厳と真の幸福」について
今回はいろいろ考えさせられた。
 
 原題は「Benny & Joon」。
ハンディキャップを持つ恋人たちの話が主題なのではなく
兄から独立しようとする妹とそれを複雑な思いで見ている兄の兄妹愛が
メインテーマといいたいのだろうか。
いずれにしてもこのタイトルからはどんな映画なのかさっぱり
推測できないところがいかにもハリウッド的。

 最近はかなり個性的な役どころばかりのジョニーデップ。
(この映画の役もかなり個性的だが)
実は彼は正統派ハンサムだということを再認識した。
それにしても役がらによってこんなに雰囲気を変えられる俳優はいない。
(ハリソンフォード。見習えよ~)

 ジュリアン・ムーアをはっきりと認識したのは
「ハンニバル」から。
あの時はジョディ・フォースターの降板した役だったので
「なんだかジョディの2番煎じみたいな女優だわ」と思っていただけだったけど
こんなところに出ていたとはちっとも知らなかった。

 メアリー・スチュアート・マスターソン も エイダン・クイン も好演している。

 ところでジューンがサムを最初に見かけたのは木の上の彼。
その後自己紹介の時、彼女は「You are out of your tree.」
(木から下りてきたのね)と言うくだりがあるが
これには「気がふれている」という意味もある。
日本語の翻訳ではこのあたりの微妙なニュアンスがでないのが残念だ。

by arizonaroom | 2008-09-28 21:40 | 映画&TV&本 | Comments(2)

Commented by 花ケーキ at 2008-09-29 19:40 x
ジョニー・ディップは大好きな俳優さんです。この映画も見ました。
一回目はほとんどなんだかよくわからなかったのですが、何回か見るうちに、優しさや、心遣いや、兄の葛藤やらと、ずいぶん内容の濃い映画だと思いました。
Commented by arizonaroom at 2008-09-29 21:37
花ケーキさん
ジョニーデップは役によって人相も変わってしまうのがすごいと思います。
あの映画はなかなか味わいがありますね。